-フォーリーズさんは、1回目のときに子供たちのためのワークショップをしていただいて。
暑い体育館でやりましたよね。有難うございました。
勝部:そうそう、最終日にはコンサートも行いました。
-そして、その後とうとう台東区へ劇団ごと移ってきていただいたそうで。
「ようこそ台東区へ」(笑)!
永川:よろしくお願いします(笑)。
勝部:早速このあたり歩いてるんですよ、劇団の会報誌でもいろいろとご紹介しています。
-有難うございます。このあたり面白いお店とか実は、たくさんあるんですよね。
そもそも、どうしてこちらに?候補地はいろいろあったと思いますが、どんなところが決めてになりました?
永川:活気があるところがいいなと思いました。 伝統を守る町で、良い物を伝えていこうというエネルギーがある。あとは若い人たちの、ここから新しいものを作りに行こうというクリエイティブな気質が感じられるのは、ここが「ものを創りだす町」だからかな、と。それが大きい魅力の一つなんじゃないかと思っています。
-麻布にいらした時は「麻布十番納涼まつり」とか出演なさってましたよね。
ここでも狙ってますよ(笑)。
そういうのも含めて、地域ともいっしょになって何かやるっていうのは素敵なことだと思うんですよね。「うちの町にはミュージカルをやっている劇団があるよ」なんていうのはそうない訳ですから。
まずはイッツフォーリーズを皆さんに知っていただければなと思って。
-演劇祭としては、とても嬉しいコメントを頂きました(笑)。
では、せっかくなので今日お集まりいただいた皆さんに一言自己紹介と、台東区、蔵前の第一印象などを一言ずつお願いいたします。
横山:横山雄平です。
自分のPRは軽いことですね、体重にしても行動にしてもいい意味で軽いと自分では思ってます(笑)。
蔵前は、来てみたら結構静かだなって思ってます。普段は落ち着いたような街でいやすいなと思ってます。
石川:石川裕梨です。やるときはやる女です(笑)。
移転の前から、お稽古事などで蔵前に通う機会が多かったんです。お散歩したいなと思っています。
茂木:茂木沙月といいます。劇団が所属している株式会社オールスタッフの社長の次に、劇団に長く在籍しているのが私です。私、趣味がアクセサリー作りなので、このへん(浅草橋)で買ったものでアクセサリーを作ったりね、楽しんでます。
田村:田村歩惟と申します。のんびりしているみたいに見られるんですけど、好奇心旺盛で、蔵前に引っ越してきて、これからどういうことに触れていくのかなってすごいワクワクしています。
勝部:勝部祐子です。
タフです。精神的にも体力的にも。暑い体育館ぜんぜん平気でした(笑)。
こっちに来て、台東区のマップを見ながら歩くと、一駅は歩ける、二駅も歩ける、すべてが歩けてしまうんだな、台東区って(笑)と思っています。時間があるときは演芸場で(笑)。こっちに来てはまったのは実は「昭和のいるこいる」さんです(笑)。
道山:道山賢です。笑顔と暑苦しさが特徴です。
このあたりはやはり、皆様の人柄が温かいなと。店員さんと話してついつい買ってしまうんですけど、そういうところが好きですよね。
米谷:米谷美穂です。続けることが得意ですね、あきらめずに続けます。
1年経とうというのに、駅の行きかえりと飲み屋さんしか見えてない(笑)。これからです。
田中:田中愛実です。私はいろんなところが小さいけど元気です。
風船屋さんとかお人形屋さんがあるから、歩いていると覗いて「あ、シンデレラがいる!」とかやるのが楽しいです。
吉村:吉村健洋です。僕はこう見えて平成生まれなんですよ(笑)。あれ?普通ですか?良かった。僕劇団ではお父さん役が定着しつつあって(笑)、昭和の匂いをさせてます。浅草橋の駅からから来る途中のお店に、金ぴかのC-3P0のフィギュアが置いてあって、それをいつもカッコいいなって見てます。
-有難うございます。
さて、今年のしたまち演劇祭ですが、どんな舞台でしょう?
永川:1部がストレートプレイ、2部がショーです。セリフであっても詩であっても、同じ言葉を音楽に載せて表現するときと、お話し、セリフとして表現したとき、そうやって分解して表現できるのは、ミュージカル俳優ならではのスキルだと思うんです。今回はそれをお観せしたいと思っています。
-具体的にはどんなことですか?
永川:例えば、「手のひらを太陽に」という曲は、でメロディは楽しいんですけど、書いてあることは僕らの手に流れている血潮を見て、みんな生きているんだ、なんていうことで、これを台詞にしてやろうと思ったら結構シリアスなシーンなんですよ。
それを、あんな軽快なメロディに載せて皆が口ずさめる形まで落とし込んでいる楽曲はすごいなと思うんですよね。
-哲学的ですものね。
永川:だからそのメッセージ性の伝え方の差っていうんですか、僕たちがなにげなく口ずさむ「歌」だったり、メロディによって自然と入って行きやすい形もできるし、僕たちはストーリーと考えて「芝居」にして伝えることもできるんじゃないかと。
-ある一つのテーマをお芝居バージョンと歌バージョンで楽しむみたいなことですかね?
永川:そういうことですね。イッツフォーリーズって、人生で初めてみるミュージカルから最後に観るミュージカルまで全部プロデュースしてやりたい、みたいなすごい欲張りな団体なので(笑)。
作品の共通点をひとつ挙げるとしたら、みんな作品があったかいんですよ。あたたかい気持ちになるような、人間の心みたいのを表現していこうと。それがいずみたく楽曲の魅力でもあって、そういうものをライブの中にも織り込んでいけたらと思っております。
-なるほど。
永川:いずみたくとお仕事をしたことのある劇団員というのは、実は茂木沙月さんしかかいないので。
じゃあそんな僕らが、いずみたくが作り上げた劇団を受け継いだ者たちとして、何をメッセージとして出していくんだっていうことを考えたときに、楽曲のあたたかさとか作品のあたたかさとかを、表現していきたい、と思うんです。
-難しいテーマをわかりやすい歌にするっていうことが、いずみたくさんの大発明だったわけですよね。
今回、チラシのお写真にもあるように、いずみたくの作品というかお仕事を作品として提示するっていう部分もありますか?
永川:この町で皆さんと一緒に作っていく団体になりたいと思っているわけですから。
いずみたくの世界観っていうものは伝えたいと思っています。
茂木:いずみたくが目指していたのは、舞台を観終わったあとに一曲でもいいから曲を口ずさんで帰って欲しいと。日常の中に歌や音楽が取り込まれて鼻歌で出てくるようなことになって初めて、自分たちの意志が浸透することになるんじゃないかという思いがあったんですね。だからすごく音楽というものを大事にしたし、それをベースに今のニーズにあったものをね、蔵前に移ったイッツフォーリーズが提供していけるといいなと思っているんですね。
-いいですね。では皆さんにもう一言ずつ。
いずみたくさんの曲の中でこれが好きっていうのを教えてください。
永川:15000曲ありますからね。
-そんなに?
茂木:そういわれています。
勝部:コマーシャルソングとかも含めてね。
茂木:あといろんな学校の校歌や、会社の社歌など、そういうのも作っているんです。
勝部:あと県の歌などもあります。
県の歌?
茂木:各都道府県に1つずつ歌を作ろうと、永六輔さんといずみたくが曲を作り、デュークエイセスが歌った「日本の歌シリーズ」というのがあります。
茂木:有名なところでは京都の「女ひとり」です。
-ああ、はい。♪京都大原三千院~。
茂木:「いい湯だな」や「筑波山麓合唱団」♪
-はいっ。
茂木:あのへんが全部「日本の歌シリーズ」の歌なんです。
-ああ、そうなんですか。
吉村:僕が一番好きなのは、ピンキーとキラーズの「恋の季節」です。
-カッコいいですよね~。
田中:私やっぱり、ふとした時に思い出すのは「見上げてごらん夜の星を」です
ふっと来て、急に感動します。
-それがきっかけで、イッツフォーリーズさんに入ろうとか思ったんですか?
田中:いえ(笑)。入ってから、これこれこれ!この曲って思ったんです。
-劇団に入らなかったら出会わなかったかもしれないんですね。
米谷:私が好きなのは「希望」ですかね。
-いいですよね。
米谷:小学校のときにテレビで聞いてた歌がこれで、ああこの人が作ったんだ、みたいに繋がって。
道山:僕は「女ひとり」ですね、この劇団に入って初めて先輩たちと一緒にやらせてもらった曲なので。
-ご出身があちらとかじゃないですよね?
道山:東京です(笑)。
-なんだか知らないけど、京都へ行くと歌いたくなりますよね(笑)。
勝部:私は選べない二つから!「愛に生き平和に生きる」か「旅は心を洗う風」。
♪人は愛に生き平和に生きる~
-それは何の歌でしたっけ?
勝部:いずみたくが自分のテーマソングにしている歌です。
茂木:ピンキーとキラーズが広島平和音楽祭で歌った曲です。。
田村:ああ、絞れない!私は。
「夕日にむかって」と「夜明けのスキャット」が好きです。父が若いころに趣味で音楽をやっていて、母も音楽が好きで、家で父と母が一緒にギターとかで歌っていたりしているのを、小さいころから聞いていたので。未だに思い出深いです。
-素敵な思い出ですね。
茂木:ああ、どうしよう!本当に絞れない!(笑)
強いてあげるなら「塩・ローソク・シャボン」
♪ろうそくは身をすり減らして~ あの曲が、なんて言うのかな、いずみたくの生き方に似てるなって思って、私はすごい好きです。
-有難うございます。
石川:えっと私は「勇気の花がひらくとき」アンパンマンの歌です。
茂木:いずみたくが最期に作った作品のテーマ曲ですね、亡くなる直前に。
石川:たまたまアンパンマンを見ていた時にこの曲が流れていて、これっていずみたくっぽいなあ、って思ったらホントにいずみたくでした(笑)。で、すごいなあってその時に思いました。
横山:えっと僕は「青春貴族」のリズム感が好きです。
-では最後に。お待たせしました(笑)
永川:はい(笑)。
あの、僕も小さいころから聞き続けている曲が、選べない2曲がありまして。
-はい。
♪「スカッとさわやかコカコーラ」と♪「チョコレートは明治」 。
一同:(笑)
永川:2曲とも僕が幸せな気持ちになれるんで(笑)。
一同:(笑)
-なるほど。
では最後に、今回の舞台の見どころをお願いします。
永川:主人公がお話しの中できっと成長をしているんですよね、で、その成長というのは決して一人の力じゃなくて、いろんなきっかけがあって人って変っていくんだよというメッセージがちゃんと客席に伝わるような舞台にしたいです。