したまちでしっとりと。
古きよき日本の情緒に触れる

文学座有志による万太郎の世界

久保田万太郎の世界「不幸」「一周忌」

概要
「万太郎の世界」とは、文学座創立メンバーの一人である久保田万太郎の作品を文学座有志によって上演する自主企画公演で、これまで劇団の稽古場にて過去10年間に19作品を上演してきました。この度、縁あって久保田万太郎生誕の地、浅草で公演させて頂くことになりました。独特の「間」が沁みる、古き良き下町の人情ある芝居を浅草花街の見番にてお届けします。地元江戸っ子の皆さま、是非ともご覧ください。"

チケット購入に関して
前売開始:8月1日(木)
料金:3,000円(全席自由)
区民割引:2,800円(全席自由)
チケット取扱い・問合せ:万太郎の世界(090-3687-2949)
スケジュール
8.29(木)14:00〜
8.30(金)14:00〜/19:00〜
8.31(土)14:00〜/18:00〜
9.1(日)14:00〜
スタッフ・キャスト
演出:黒木 仁/鵜沢 秀行
出演:山本 郁子/山崎 美貴/関 輝雄/吉野 正弘/鵜澤 秀行/坂部 文昭/鈴木 弘秋/西岡 野人/赤司 まり子/鈴木 亜希子
アクセス
>Google マップで見る 浅草見番 台東区浅草3-33-5

FROM

私の家族とか親戚がすごい喜んだんですよ。久保田万太郎を地元で見られるってことに。
こんなに喜ぶんだなって思って。 
鈴木亜希子/文学座有志による久保田万太郎の世界

-鈴木さんは、地元のお生まれなんですって?
 
千束にずっと住んでたんです。
家が材木の問屋で、祖父の前からずっと続いてまして。
 
-「三代続く生粋の江戸っ子」?
 
そうなんです、三代続いていると思うんですけど。
 
-それは凄いですね。
 
(笑)。
 
-今回の「万太郎の世界」は、文学座有志によるというお名前通り文学座さんの、いわば浅草出張公演みたいな形ですね?
 
そうですね、私、劇団に入って今年、8年目なんですけど、文学座は劇団員が200人くらい、役者だけで120人くらいいるんですね。で、その中で役者を続けていくのは大変、年間1本やれたらいいくらいの感じなので。
 
-劇団の俳優さんの層が厚いので、大変ですよね。
 
そうなんです。私くらいの時期になると、仕事がなくなりだすんですね。
 
-若手から中堅へ行く間の時期ですね。
 
そうなんです、でも一番体力がある時期なのに仕事がないとバイトばっかりしていて(笑)。これは自分から発信していかないと駄目だなって思って、自主的に企画を出すようになったんです。
 
-なるほど。
 
でも、それとは別に「したまち演劇祭」は第1回目から地元として、観には行ってたんですよ。
 
-有難うございますっ。1回目の時は、56565会館で、(文学座の)鵜沢さんが演出してくださったでしょ。
 
そうなんです。おっそろしく怖い鵜沢さんが(笑)
 
-やっぱり怖いんですね(笑)。
 
怖いですよ。超怖いんですよ(笑)。
その鵜沢さんが演出した公演に皆、劇団員が手伝いに行ったんです。
着付けと、かつらかけるのとをお金がないからって。で、私も手伝いに行って。
 
-お世話になりました(笑)。
 
その時に、私も意外だったんですが、私の家族とか親戚がすごい喜んだんですよ。久保田万太郎を地元で見られるってことに。で、こんなに喜ぶんだなって思って。
今まで、文学座の長年自主企画でやっているだけだったので、じゃあ地元でやったらどうだろうって思って。
 
-久保田万太郎の世界っていうのは、ずっと以前からの活動なんですか?
 
文学座に、龍岡晋さんっていう方がいらして、その方は久保田万太郎さんの御弟子さんだったんですよ。その方がずっと、役者に久保田万太郎のセリフの言い回しなんかを教えていらしたんですが亡くなってしまって。
でも続けていきたいという役者が多くて、じゃあ勉強会として続けて行こうって、というのが始まりだと聞いています。今まで19作品やってきてるんですよ。
 
-そんな久保田万太郎作品を地元の方が浅草でみてくださっんですね。
 
はい、お母さんたちが観れて良かったって言ったんです。やっぱり、知っている言葉とか土地の名前とか聞くだけで興奮するんですよね。
 
-親近感が湧きますよね。
 
実は、私のまわりの人って出不精というか、他の土地に行きたがらない人が多いんです。「浅草で良いじゃないか、浅草で事足りる」って(笑)。
 
-それじゃ浅草へ持ってこないとですよね(笑)。
 
私も勉強会で「暮れ方」をやっていて、ぜひやりたいなと思っていたので。
先輩たちは劇団の自主企画だけでやってきたけれど、体力がある人が動けばもしかしたらできるんじゃないかと思って、声をかけたんですね。
 
-先ほど仰っていた発信ですね。
 
で、皆さん怖いというか、職人の集まりなので頑固というか(笑)、それをまあ、お願いしますとか言いながらやるんですけど。
最近、若手でやりたいっていう人がちょっとずつ増えてきてるんですよ、久保田万太郎作品、やっぱりやっておきたいって。
 
-久保田作品にはどんな魅力があるんでしょう?正直、少し難しいですよね。
 
難しんですよ。私たちには喋れない台詞なので。
なんて言ったらいいんだろう?日常会話といっても昔の言葉ですよね。あんまり聞いたこともないような言葉というか。
 
-そうですね、明治・大正・昭和の頭の頃までの時代なんですけどね。
 
それを腹に落とすというか、自分の言葉にする作業がすごい大変で。
でもそれをやるとやっぱり成長できるんですよね。
 
-なるほど。
 
今はテンポのいい芝居が多い中で、独特の間合いというか、無言の場面があったりするのがいいなって思います。贅沢な時間というか。
 
-今の時代からみると却って贅沢ですよね。
 
最初にそう感じましたね。で、お客さんもちょっとお洒落なものを見たっていうか、ね。
 
-したまち演劇祭の、その久保田万太郎作品を拝見して、印象的だったのは所作が大変そうだなってことでした。
お茶を出したら、こうやってお盆はこっちへ引くとかっていうのが(笑)。見てると、ああ、そうしたらきれいなんだってわかるんですが、とにかく難しそうで(笑)。
 
そうですね、無駄のない動きっていうのを教わりましたね。
戸を閉めるのを、正しい所作だと三手くらい必要なのを、日常生活だと一、二手だろうとか、やっぱり畳の生活をしている人じゃないと教えられないことだと思って。そういうのを先輩たちがどんどん教えてくれるので。
 
-それも贅沢ですねえ。
 
着物のお芝居なんですけど、汗びっしょりなんです。すごいお腹に力を入れてないと動けないので。特に私なんかは、あんまり知らない世代なので。
 
-お稽古はお着物でなさるんですか?
 
しばらく和物の芝居が続いていたので、前よりはましになってきました(笑)。
 
-研究生のときに和事はやるんですか?
 
授業でやるのと「女の一生」っていう作品を必ずやるので
 
杉村春子先生の代表作!
 
はい、それを必ずやって。
で、研修科に上がったら今度は必ず久保田先生の作品はやってますね。
なので、和事をやる機会はあります。
お作法の授業もありますね。あと、着付けの授業があって。それは劇団の女優さんが先生になって教えてくれるんです。
一回正しく着て、役によってどう崩すかっていうのを教わります。
女優の皆さん、それぞれこだわりが違うので勉強になりました。
 
-普段から、和のスタイルはお好きですか?和物とか流行ってますが。
 
好きですね。和柄とか。お祭りの恰好が一番好きですけど。
 
-お祭りの恰好?
 
半被です(笑)。似合いますか?
-浅草、地元でいらっしゃいますものね。三社祭は担がれるんですか?
 
行きます。ガンガン行きます(笑)。
その日のために一年間生きてるみたいなところがあって。
 
-江戸っ子だ(笑)。
 
実は、お祭りに行くと、声が戻らないという…(笑)。
稽古中とかでも「鈴木はなんか、祭りに行ったんじゃないか」っていう(笑)ウワサが。
「喉をつぶしてるぞ」って。祭りで騒ぎ過ぎて、本番前なのに(笑)。
 
-血が騒ぎます?
 
騒ぎますね。1週間前からとか(笑)。
 
-どうして女優さんを志されたんですか?
 
子どもの頃から、両親とか祖母とかが演劇が好きで。浅草にあった常盤座、今はもうなくなっちゃったんですけど。そこへよく芝居を観に連れていってもらたんですよ。
お祭りとなんか似てるじゃないですか。興奮があって。
役者を続けているのも、おそらくそういう一瞬で終わってしまう興奮が味わいたいからじゃないかって、最近は思いますね。
 
-そいういえば演劇ってお祭りに似てるかもしれないですね。
 
似てますよね?
 
-文化祭みたいだなって思います。
 
そうそう、文化祭みたいで。
ぱっと終わったあとは、何もなかったみたいな静まり返った感じとか。
だからしたまち演劇祭って聞いたときはなんて良い企画なんだって、いいなあ、絶対出たいなあって、祭りもついてるし(笑)みたいな。
 
-有難うございますっ!
 
地元の人に「出るよ」って言ったら、皆観に来るって。初めて観に来る人も多いと思います、私の知り合いで。
 
-それは嬉しいですね。
 
地元でやるっていうのが一つ夢だったので、それが叶ったっていうか。いや、それを叶えるためにこれから格闘していくんですけど。
 
-では今回はどんな舞台になるでしょう?
 
久保田万太郎の中でも違う世界があるっていうのを、並べてお見せできるんじゃないかと思います。
 
-久保田万太郎をご存じない方に、ご紹介いただけますか?
 
えっと。餅がのどにつっかえて死んじゃった人?
 
-ええ!?
 
それじゃなんですよね(笑)。
それもだんだん話が変わってきて、鮑だったんじゃないかとか、江戸っ子だったから詰まったけど、我慢してたんで駄目だったとか。
え?違うんですか?うちのお父さんとかはそう言ってましたけど(笑)。
 
-お餅の話は知らなかったです(笑)。
浅草通りの尾張屋さんの向かいのあたりに、生誕の地があるんですよね。
 
あ、あと、文学座の創立メンバーの一人です。良かったちゃんと言えた (笑)。
 
-「一周忌」「不幸」って、ちょっと意味深なタイトルが並んでますが、決して不幸な話じゃないんですよね(笑)。
 
ぜんぜん違います(笑)。「一周忌」は小粋で艶っぽく、「不幸」は下町の人情を味わえます
 
-「静かな演劇」の元祖とかのイメージって言っても大丈夫でしょうか?
 
そうです、そうです!
こうやって普通に話しているものの間に垣間見える瞬間?
それこそ江戸っ子の義理と人情みたいな芝居ですよね?
 
-なるほど。
 
テレビとかnetとかないと、人はこんなに一対一で喋るかい?みたいな芝居ですかね。それをこっちで客観的に観てるみたいな、ね。
 
-それ、わかりやすいですね。
 
私は、こっそり見てる感じがします。覗き穴から、こう、見てるとか。決して客席を(正面切って)見るような芝居はなくて。
 
-ふすまの間からちょっと覗き見てるみたいな感じですかね?
 
はい。うちのおじいちゃんなんかは、懐かしいって。原風景っていうか、いろいろなことを思い出したって言ってました。
そんな芝居です。
 
-楽しみにしています。有難うございました。
 

鈴木亜希子

  • したまち演劇祭応援部による感激★観劇レポ
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2013年8月20日(火)-9月16日(月・祝)SHITAMACHI THEATER FESTIVAL IN TAITO 2013
激場へ。

雷5656会館(ときわホール)/木馬亭/東京キネマ倶楽部/上野ストアハウス/浅草見番/東洋館/浅草花やしき(花やしき座)/戸野廣浩司記念劇場

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